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[中学受験コラム]

2019年度 首都圏中学入試展望

2018/08/24

上位校・人気校の「激戦」を全力で突破

 2018年度に、首都圏の1都3県で私立・国立の中学校を受験した生徒(私立が主体)は約4万7500人と推計され、前年よりも1000人増えました。小学校卒業者が約7500人も減ったにもかかわらず中学受験生は2016年度から3年連続の増加となりました。
 高度情報化やグローバル化など社会情勢が急転するなか、「これからの21世紀型の教育環境を」というニーズが高まり、私立などの中高一貫教育校が選ばれているのです。
 私立・国立中の受験生(私立が主体)と公立中高一貫校の受検者を合わせると、2018年度の中学受験率は約21%で、首都圏では「5人に1人」以上もが中学入試を受験しています。
 私立中を中心にして近年、中学受験熱が過熱しているのは、大学入試改革もその一因といわれます。2021年度に「大学入学共通テスト」が始まるなど、思考力・判断力・表現力を重視した大学入試改革が行われ、出題のほか合否選考を含め、「全体像」に変化が出てくるのです。
 このため、大学入試への対応力にも信頼性がある私立中の人気が上昇。その一方、大学入試改革に対する不安感も広がり、大学受験を避けようと、「私立中の大学付属校へ」と向かう動きも目立つようになりました。
 いずれにせよ、「私立中志向」が高まるなか、来春2019年度入試では、小学校卒業者の増加(約9000人増)もあり、中学受験生がさらに増えるのは確実と予想されます。
 したがって、私立の上位校などはいっそう「難化」する可能性があります。また、人気の定着した公立一貫校では、厳しい高倍率入試が続くのは必至です。
 こうした「激戦模様」の来春入試を乗り切るため、対策学習を全力で進めていきましょう。それとともに、押さえ校などの併願パターンを適切に設定することも欠かせません。そうして万全な受験態勢で1月、2月を迎えられるようにして、志望校の本番試験に挑み、「最高の笑顔」を勝ち取ってください。

東京都内 私立・国公立中学校の入試

 首都圏では、私立・国立中学校の受験総数は、2008〜2015年度にゆるやかに減少。しかし、2016年度から「アップ」に転じています。2018年度は小学校卒業者が前年に比べかなり減少したなかで、受験生総数は前年比1000人増加し、約4万7500人(推計)となりました。一方、公立中高一貫校(1都3県)の受検者数は約1万5900人に。私立・国立中と公立一貫校の受検者(私国立併願者を除く)を合わせると中学受験率は約21%と推計され、首都圏の小6生は「5人に1人」以上が受験したという状況です。
 私立・国立中の受験率も2015年度から4年連続で上昇し、2018年度は16.7%(前年度15.9%)に上がりました。私立中の人気が上昇傾向となっているのは、その要因として2021年度の大学入試改革があります。同年度に開始される「大学入学共通テスト」は、記述式の導入(国語、数学)などで「思考・判断・表現」の能力を重視。また英語では4技能(読む・書く・聴く・話す)を測れる民間の英語試験も採用します。私立大入試も出題や合否選考に「変動」が出てきそうです。こうした新制度の大学入試を前に、私立中は敏感に対応を進めており、「新しい大学入試のために私立中へ」と望むご家庭が多くなっています。その半面、新制度の大学入試に対する不安や警戒から「私立中の大学付属校へ」と流れる動きも加速しているようです。とくに2018年度には「附属校人気」がぐっと高まりました。

 2018年度の男子御三家クラスで、開成では受験者が前年に比べて29人増え、武蔵は36人減り、麻布、駒場東邦も減少しました。開成の倍率は2.9倍→3.0倍と若干の上昇。駒場東邦ではここ数年、受験者減が続いて、2015年度に倍率2.4倍だったのが、2倍を切って1.8倍まで低下しています。
 2018年度に女子御三家では、女子学院の受験者が65人増え、桜蔭も増加となり、雙葉は53人減。女子学院の倍率は2.3倍→2.6倍とやや上昇。桜蔭は前年から横ばいの1.9倍。雙葉でが3.0倍→2.5倍に下がりました。御三家とともに最上位レベルにあるのが豊島岡女子。同校の1回は受験者19人増で、倍率は2.5倍→2.6倍に。2回の受験者は微増、3回目はやや減少ですが、2回、3回ともに7.4倍と高倍率が続きました。2019年度も激戦傾向は変わらないでしょう。
 2018年度の共学校では、「付属校人気」の高まりがはっきりと見られました。大学付属校の中でトップレベルのところは、慶應中等部。同校は男子枠の受験者が203人も増え、この倍率は4.3倍→5.8倍とかなりアップ。女子枠のほうは、受験者38人増で倍率は6.2倍→6.5倍。同じくトップレベルにある早稲田実業の受験者は男子枠25人増、女子枠18人増でした。男子枠の倍率は3.2倍→3.5倍に上がり、女子枠は合格者増員で前年から横ばいの3.5倍となっています。

 都内の国立大附属校では例年2月3日に入試が実施されます。ひと頃に比べて、国立中の受験規模は全体的に縮小しました。2018年度には、お茶の水女子大附属の女子枠、東京学芸大附属世田谷、筑波大附属、東京学芸大附属竹早の女子枠で受験者が増えた程度にとどまりました。ただし、首都圏トップの筑波大附属駒場や、筑波大附属、お茶の水女子大附属(女子枠)の入試がハイレベルであることは、以前と変わっていません。
 都内の私立中入試は2月1日に開始され、1日、2日の「前半戦」がとくに活発であり、3日以降になると試験を行う学校や定員が少なめになり、5日ごろでほぼ終了します。都内入試では最近、「短期決戦化」の傾向が強くなっています。1日、2日の「前半戦」で合格を取れたら、そこで終了として、3日以降の試験は受けない生徒が多いのです。3日以降の「後半戦」は、とくに上位校では倍率や合格レベルが高くなりがちなので、そうした危険を避けたいという安全志向も「短期決戦化」の理由です。たしかに、3日以降の倍率は5倍〜10倍以上の「激戦校」もあるものの、前年に比べて倍率が緩和したり、意外に低めのところもみられます。都内では「前半戦」(1日、2日)で合格を確保することが受験プランの基本ですが、それに加え、「後半戦」もうまく活用したいものです。3日以降にチャレンジ校など狙ってみるという積極策も考えておいたほうがよいでしょう。

埼玉県内私立・公立中学校の入試

 埼玉県の私立中では「入試地図」がひと頃に比べると様変わりしています。2000年度以降、難関校の立教新座、浦和明の星をはじめ、人気校、有力校などの新設がラッシュのように行われ、2019年度は細田学園により県内の私立中は計31校となります。こうした「選択肢」の広がりによって埼玉の中学受験熱はぐっと高まりました。県内私立中の総応募者数は2000年度からぐんぐん増えて2003年度に約3万人に拡大。2005年度からは4万人の大台が10数年も続いて、2018年度には約4万4800人でした(前年比2200人増)。県内の受験生だけでなく、最近は電車の交通の便が良くなり、東京などからの「試し受験」も大規模化しています。
 県内の私立中は全体的に合格レベルがアップしており、とくに上位校などは過去問の練習量が少なかったりすると「予想外の不合格」も珍しくはないので要注意です。
 もう一つ、注意したいのは「試験の競合」です。学校数が多くなって、その大半が1月に試験を3回、4回と行うため、同じ日に複数校の試験がよく重なります。とくに「初日」の1月10日からの数日間には多くの学校が集中。この「序盤戦」は午後入試を取り入れる学校も多く、日程的に「混戦」となっているのです。そうしたなかで、どの学校を受験するのか。各校の試験日、合格レベル、教育内容などの「中身」もよく確認し、県内の受験プランを慎重に設定するようにしてください。
  ここ数年、県内で「台風の目」となっているのが栄東です。2018年度は4回の試験を行い、合計の受験者は1万252人にのぼりました。全国でも最多マンモス入試が続いています。なかでも、A日程(1月10日)は超大規模入試で、受験者6351人。前年より519人増えて、倍率は1.3倍→1.6倍とややアップ。
 県内私立の中で栄東と東大合格者数トップを争っているのが開智です。開智では、2018年度は5回の試験を行いました。新設された特待・特進選抜の「先端特待」は753人の受験者が集まり、3.7倍と高めの倍率に。特進選抜の「先端A」は前年に比べて受験者266人減。受験生が「先端特待」へ流れたからでしょう。しかし倍率は、合格者の削減で1.7倍→2.1倍に上がりました。
 立教新座の1回は受験者数が2015年度に約1300人だったのが、2016年度以降は1500人台が続き、「付属校人気」の表れともみられます。2018年度には受験者56人増、倍率は前年から横ばいの2.0倍に。浦和明の星1回では、2018年度は受験者10人減。倍率は前年と同じ1.9倍でした。淑徳与野1回は受験者3人減、倍率は1.8倍→1.7倍と若干下がりました。

 埼玉県内の公立中高一貫校は2019年度に3校目が新設。3校とも試験は1月中に実施されます。県立伊奈学園中学校では、例年1次試験の「作文」は記述式のテストです。2次試験では面接を実施。2018年度は1次からの倍率は4.6倍でした。事前抽選の廃止前後から「作文」の出題内容は明らかに難化し、合格者のレベルも以前よりぐんと高くなっています。4教科の理解を深め、記述に強くなり、確かな「合格力」を身につけましょう。
 さいたま市立浦和中学校では、受検者の減少が続いていましたが、2017年度から増加に転じて、倍率は2018年度も6.1→6.2倍とわずかに上がっています。同校の試験(適性検査)は例年、問題の量が多いことがポイントです。「私立型」の4科対策を進めて、過去問の練習などで解答するスピードも速めていくことが欠かせません。
 2019年度は、さいたま市立大宮国際中等教育学校が開校します。「国際」と冠するだけに、英語などの「グローバル教育」が充実。新校舎も完成予定で相当な人気を集めそうです。試験問題は、いずれもサンプル問題をホームページなどで発表しており、それを見ると小学校の英語授業(グローバル・スタディ)がカギの一つと予想されます。各教科の学力、記述力なども、塾で充分鍛え上げて本番に臨みましょう。


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