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[中学受験コラム]

2018年 首都圏高校入試の展望

2017/11/29

埼玉県公立・私立高校入試

 埼玉県公立高校の学力検査は3月初旬(30年度は3月1日)の実施で、受験者の全員に5教科入試が課されます。合否選考は22年度から加算方式で実施されています。入試得点(500点満点が原則)に、9科の内申や内申書(調査書)の特記事項などの換算点を足し合わせ、合格点の上位から合格者が決まります。これら選抜資料の配点や換算ウエートは各高校で異なっているので、自分の志望校を早めに確認しておきましょう。
 次に、30年度入試の受験作戦についてです。一つは公立を受験できるのが1回だけになり、押さえの私立が以前に増して重要になっています。私立は実力相応校のほか、次善校、チャレンジ校なども加え受験しましょう。中身の面でも「入学してもいい」と思える私立を選択し、その合格をしっかり確保。それを安心材料にして公立にチャレンジできるようにしてください。

 埼玉県内の私立高校入試は、大きな特徴として1月中心の受験地図が20年近くも定着しています。その中で県内私立は1月22日から1月25日ごろの数日間に、大多数の高校が「併願入試」(併願推薦)を複数回実施しており、この1月の併願入試が受験のメインという状況が長く続いているのです。
埼玉の受験生は、公立第1志望でも、私立難関校などが本命であっても、県内校の1月併願入試を受験しておくことが常識的になっています。この併願制度で押さえの高校をしっかり確保し、気分的に余裕をもって公立や難関私立などにチャレンジしてください。

東京都立・私立高校入試

 東京都立高校は、受験のメインである一般入試がこの10年ほど高倍率化し、厳しくなっています。普通科では一般入試の平均倍率が29年度は1.46倍となりました。来春の30年度も都立の一般入試は、29年度と同程度の厳しさになるとみておきましょう。対策学習を全力で進めていき、2月の本番試験で高得点をとれるようにしましょう。
 本番の入試は、27年度まで3教科の学校もありましたが、28年度から5教科入試が原則となっています。入試得点・内申点のウエートは、28年度から芸術科、体育科を除き全校で入試最重視の「7対3」になりました。つまり、入試700点満点、内申300点満点とされ、どの高校でも入試学力の高い受験生が非常に有利ということです。合否選考で比重の低い内申ですが、28年度から技能4教科の扱いが変わったことに注意しましょう。技能4教科の評定は、27年度まで1.3倍とされていたのが2倍に変更され、9科内申のなかで重みが増しました。内申対策として、これら4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)も、中3では普段の授業や定期テストにより真剣に取り組みましょう。

 都内私立は約180校のうち、9割以上の高校に推薦制度があります。1月22日が推薦入試の開始日で、同24日までに大半の学校で推薦の試験が行われます。私立第1志望者ならば、単願推薦の受験が適しています。難関・上位校の推薦は、各校の内申基準のほか、本番の学科試験などで競争が展開され、2〜4倍台の高倍率校もみられます。そうした高校は、推薦・一般の2段構えで臨み、合格を目指しましょう。「B推薦」と呼ばれる併願可の推薦も、中堅校など多くの都内私立で実施しています。ただし、このB推薦は、同様の制度がある埼玉、千葉など都外の受験生が対象です。

茨城県公立・私立高校入試

 茨城の県立高校は平成25年度から推薦を取りやめ、一般入試のみの1回入試制度に変わりました。定員は一般の1回に集約され、県立全体で一般の門戸がある程度広くなりました。全日制では一般の平均倍率は29年度は1.15倍となっています。
 学力検査は30年度には3月6日に行われ、受験者全員に5教科入試が課されます。各教科100点満点(各50分)ですから合計500点満点。内申点は、3年間の9科合計で135点満点です。合否判定の方法などを用いた24年度までのA群、B群の選抜方式が「共通選抜」という名称で継続されています。また、多面的な評価という推薦の趣旨を引き継いだ「特色選抜」(定員の50%が上限)を行う高校もあります。合否判定では、先に「特色選抜」の合格者を決定し、その人数を差し引いて「共通選抜」が行われます。合否選考は以下の順を追って進められていきます。

 茨城県内の私立高校はひと昔前に比べて全体的にレベルアップしており、県南の土浦エリアでは近年、東大や筑波大に合格実績がある私立高も目立ちます。レベルアップの原動力の一つは、「学業特待」の制度です。この制度を1月の一般入試に取り入れた高校が学力の高い受験生を大勢集めているのです。また入学後は特進コースなどの整備された進学指導が成果をあげています。
 学業特待の制度とは、入試得点の上位者から特待合格を出すもので、各高校では複数の合格区分を設け、その区分で学費の減免などに差をつけています。県立第1志望者にとって、私立の学業特待でどの合格区分に入れるかということは重要な前哨戦です。それが、県立の合否予測の判断材料になるからです。学業特待は、3月の県立入試を控え、模試のように利用できることがポイントです。さらに万一、県立に不合格となった場合、学費減免の特待生として私立に入学できるというメリットがあります。

群馬県公立・私立高校入試

 群馬県の公立高校では平成12年度から「前期・後期選抜」制度が定着しています。ただ、29年度に前期で学力テストを全校に導入という改革が行われました。30年度にはトップ校の高崎、高崎女子、前橋、前橋女子とも定員が40人減(各320人→各280人)となることが注意点です。
 前期選抜の枠は定員の10%〜50%が標準とされ、この範囲で各高校が定めています。トップ校では前期の枠は小さいため、29年度も倍率3〜4倍台の「狭き門」となっています。30年度は冒頭に述べた通り、トップ校で全体の定員(前期・後期の合計)が削減されるため、さらに倍率が上がりそうです。したがって、前期は「チャレンジ受験」と捉えあくまでも「県立のメインは後期」と強く意識してください。
 後期選抜の合否選考では、5教科の入試得点、内申書(調査書)が主な選抜資料とされます。30年度はトップ4校が定員減になり、後期でも合格者数が減るため、各校で合格ラインが上がると予測されます。本番の5科試験は、各教科100点満点で500点満点が原則ですが、「傾斜配点」も認められています。トップ校は、入試得点のウエ―トが非常に高くなっており、入試学力が今ひとつの場合は合格しづらいという傾向です。5科入試の対策を全力で進めていき、得点力を充分にアップさせて、定員減のもとでもトップ校の合格点を勝ち取ってください。

 群馬県内私立高校は1月を中心に入試を実施しています。県立志望者は2月、3月の公立入試を受ける前に、私立の特待生入試を受験するのが基本的なパターンです。県外私立を受験するパターンもかなり広がっています。隣接の埼玉私立では、本庄東があり、同校は難関大学の合格実績が良いことが魅力で、群馬からの通いやすさも問題ありません。より上位レベルの栄東なども視野に入ります。難関レベルでは、埼玉の早大本庄、慶應志木を狙う群馬生が多くなっています。
 難関校のハイレベルな入試対策は県立の合格を確実とし、3年後の大学受験でも有利になるのです。実際、早慶付属校などに合格を飾り、県立トップ校に進学して、東大などの国立大学を目指す生徒も増えています。


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